子どものみなさんへ
持続可能って?
今、自分のまわりのことだけではなく、未来のみんなや地球も今みたいに暮らせるということ
開発って?
十分に食べられなかったり、学校に行けなかったり、病気でも病院に行けなかったり、住んでいるところがとても危険だったり、暴力をふるわれたり、自由に意見が言えなかったりすることをなくして、みんなが安心して、自分の能力を十分に発揮しながら満足して暮らせるようにすること
「まずしい人々が取り残され、地球環境は悪化しており、このままでは世界が立ち行かなくなる」
という強い危機感のもとにつくられたのがSDGsです。
2015年に国連総会で決められた、2030年までに目指す17の目標を、子どものみなさんにも紹介します。
目標1 貧困をなくすこと
- 生活に困るまずしい人がいないようにしよう
世界中の、あらゆる形の貧困を終わらせることを目標にしています。
生きていくために必要な食べ物さえ手に入らない貧困をなくすことがまず大事で、食べ物や水だけでなく、仕事や住むところを得られること、病院に行ったり、自分の意見を言ったり、自分の持っている力を生かしたりできることも、この目標には含まれています。
目標2 飢餓をなくすこと
- みんなが十分な食べ物を食べられるようにしよう
飢餓とは、長い間食べられず、栄養不足になってしまう状態。
子どもからお年寄りまですべての人が、栄養のある十分な食事をとれるようにすることを目指しています。
環境や作物の多様性(様々な種類が幅広く存在すること)を守りながら、安定した農業の生産量を増やすことが大切なのです。
目標3 健康であること
- 赤ちゃんからお年寄りまでみんなが健康に生きる
すべての人が健康であること、病気を予防できること、適切な治療を受けられることを掲げています。
無事に赤ちゃんを産んだり、だれでも薬やワクチンを手にできたりすることを目指しているのです。
病気だけでなく事故によるケガや死亡を減らしていくこと、空気や水、土の中の汚染を減らしていくことも、この目標には含まれています。
目標4 質の高い教育
- 世界中の人が幸せのために学ぶ権利を持っている
誰もが平等に質の高い教育を受けられるようにし、誰もが生涯にわたってあらゆる機会に学習できるようにすることを目指しています。
そのために安全で通いやすい学校設備を整えたり、資格のある先生の数を増やしたりすることも掲げています。
紛争や災害があっても教育が受けられるようにすることは大事ですね。
目標5 ジェンダーの平等
- 男だから、女だから・・・そんな時代はもうおしまい
女性、女の子ということで差別されないようにし、すべての女性や女の子に力を与えることを目標にしています。
身体的、精神的・性的に傷つけないことや、家事労働を評価すること、妊娠や出産に関する女性の権利を守ること、政治や経済などの場に平等に参加することも目指しています。
目標6 清潔な水と衛生
- 安全な飲み水ときれいなトイレを世界中に
水と衛生的な環境を管理して、すべて人が安全な水と衛生的な環境を得られるようにすることを目指しています。
そのために、誰もが下水処理やごみ処理などの衛生設備が整った環境で暮らせるようにすること、水の再利用にさらに取り組むことを目標にしています。
目標7 クリーンエネルギーをみんなに
- 安全で安定した自然に優しいエネルギーを目指す
薪や炭などを燃料とするエネルギーではなく、すべての人が電気やガスなどのより新しいエネルギ、を安い価格で安定して使えるようにすることを目指しています。
環境にやさしい再生可能エネルギー(太陽の光や風、川を流れる水の力、海の潮の力など、自然の力でつくるエネルギー)を増やしたり、エネルギーを効率よく使ったりすることも大切ですね。
目標8 適切な良い仕事と経済成長
- 働きがいのある仕事ができて
もっと世界が進化していく
自然資源が守られ、みんなで参加できる経済成長を進めること、そしてすべての人が働きがいのある人間らしい仕事をできるようにすることを目標にしています。
18歳未満の子どもによる労働で、その仕事によって心や体を傷つけてしまうような児童労働の解決も目指しています。
目標9 新しい技術とインフラ
- 新しい技術で社会を幸せに
その技術をみんなが使えるように
インフラ(インフラストラクチャーの略)とは、みんなが生活したり働いたりする上で必要な、社会的な施設や設備、サービスのこと。例えば水道や鉄道、ガス・電気、インターネットなど。
災害に強いインフラをつくり、みんなが参加できる持続可能な経済発展を進め、新しい技術を生み出しやすくすることを目指しています。
目標10 不平等を減らすこと
- 人と人 国と国の間の不平等をなくそう
国と国との不平等や、国の中での不平等や格差を減らすことを目標にしています。
格差をなくすために貧しい人たちの収入を増やせるようにしたり、特定のグループを差別するような法律や慣習をなくしたりすることを目指しています。
目標11 持続可能なまちと地域社会
- 安全で災害に強く
みんなが住みやすいまちを
すべての人が安全で住みやすい家や、水や電気などが必要なサービスを得られるまちや地域社会にすることを目指しています。
子どもやお年寄りなどの弱い立場の人にとっても安全で使いやすく、災害に強い場所にすること、大気汚染や廃棄物を管理することも掲げています。
目標12 責任を持って生産し、消費すること
- つかう分だけつくる
つくったら大事につかう
全ての国がものをつくったり使ったりする時に、資源を無駄にしないようにすることを目指しています。
捨てられる食べ物の量を世界全体で半分に減らすこと、ものをつくる時に排出される有害な化学物質が水や空気や土を汚さないように管理すること、3R(ゴミを減らし、再利用し、資源化すること)を通して廃棄物を減らすことなどを目標にしています。
目標13 気候変動への対策
- これ以上地球を暑くしないために何ができる?
気候変動とは、人間の活動によって二酸化炭素(CO2)などが排出されて地球の温暖化が進み、気候が変化することを指しています。
気候変動の問題や、気候変動が原因の自然災害に対する備えの強化に、すぐに取り組むことを目標にしています。
目標14 海のいのちを守ること
- 海の生き物をへらさない
とりすぎない
そしてごみをなくす
海の汚染の多くは、人間の陸上での活動が原因となっているのです。
海の汚染を減らすことや、海の環境を破壊する違法な漁業をなくして、海からの資源を持続可能に利用できることを目指しています。
目標15 陸のいのちを守ること
- 森を守ろう
なくすと生き物は・・・
空気は・・・
川や湖は・・・
陸の生態系(自然の生き物と、生き物が暮らす環境とがバランス良く成り立っている仕組み)を守り、再生し、持続可能な方法で利用するために、森林を保護したり、砂漠がこれ以上増えないように対処したりしています。
また、絶滅機危惧種を保護して、生物多様性が失われることを防ぐことも目標にしているのです。
目標16 平和で公正な社会
- 争いのない平和な社会を世界のみんなでつくろう
平和でみんなが参加できる社会をつくり、すべての人が司法(法律に基づいた裁判や手続き)を利用でき、地域・国・世界のどのレベルにおいても実行される公正な制度をつくることを目標にしています。
目標17 目標のために協力すること
- 1人では無理
えらい人だけでも無理
みんなで協力
目標1から目標16まで、すべての国が協力し合い、政策の中にSDGsを取り入れ、目標達成のための行動や方法を強化することを目指しています。
それぞれの国が何からどのように取り組むのかを考えること、目標達成に向けて予算を使うこと、先進国が発展途上国の目標を達成するために支援することも掲げています。
子どもにもできること。
例えば、17の目標の一つ「つくる責任、つかう責任」として、「買い物における投票行動」という表現をしてみましょう。
「世の中をよくする投票をするという意識で買い物したり生活したりする」
これは私たちがSDGsの目標達成のためにできる一つの行動なのです。
私たち一人ひとりが今、何ができるのか。考えていきたいですね。